MY PAGEENTRY2025卒

新たな価値を提供すること  住友ファーマの「もっと」

STORY 02 小児がんに光を
「リサイオ」
─ 命のために、
できることすべてを ─

一生のうち、二人に一人はがんになるといわれる現在。がんを発症する確率は40代から増加しますが、年齢を問わず発生する疾患です。子どもも例外ではありません。

15歳未満の子どもに発生するがんを“小児がん”と呼びます。国立がん研究センターによると、1年間に2,000~2,300人が小児がんと診断され、そのうちの約半分が白血病やリンパ腫などの血液のがんです。厚生労働省の調査によると、小児がんは不慮の事故と並んで子どもの死因の上位に位置しています。

小児がんは成人のがんと比べて抗がん剤や放射線療法に対する反応性が高いのも特徴です。治療法のひとつに「造血幹細胞移植を併用した大量化学療法」があります。これは、大量の化学療法(抗がん剤)や全身への放射線療法などで腫瘍細胞をできる限り根絶した後に、事前に採取しておいた患者さん自身の正常な造血幹細胞を移植する治療法です。この「自家造血幹細胞移植」を行うことで、正常な造血機能の回復が期待できます。

当社は以前「テスパミン®(一般名:チオテパ)」という薬剤を扱っていました。1958年から日本で販売を続けていましたが、原薬の製造中止に伴い、2009年に販売を中止しました。
このテスパミン®、1990年代から同じチオテパ製剤の欧州での使用に倣い、当時日本では承認されていなかった「小児悪性固形腫瘍に対する造血幹細胞移植の前治療(大量化学療法)」の1剤として医療現場で使用されていました。2009年に国内販売中止となった一方で、欧州では2010年にチオテパ製剤が「造血幹細胞移植の前治療薬」として承認されました。

そのような状況の中、日本血液学会などの国内3つの学会から、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に要望書が提出され、2012年3月当会議でチオテパは医療上の必要性が高い薬剤と判断されました。

小児がんは、患者さん自身の健康は勿論、家族の生活を大きく揺さぶります。
「小児がんを何とかしたい」

2012年に厚生労働省からチオテパ製剤の開発企業の募集が行われました。テスパミン®を販売していた住友ファーマは、2013年9月にこの募集に応じ、自家造血幹細胞移植の前治療を必要とする小児がんの治療に貢献すべく、開発を開始し、2016年11月より薬物動態試験として国内第1相試験を実施しました。

そして、2019年3月、新たなチオテパ製剤として造血幹細胞移植前治療薬「リサイオ®」の製造販売承認を取得しました。
リサイオ®の名称の由来は「生まれ変わった(Reborn)チオテパ(Thiotepa)」です。

「命のために、できることすべてを」
お子さんとそのご家族のために、住友ファーマは、アンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされない医療ニーズ)に応えていきます。

※厚生労働省が設置した組織で、欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない適応等について、学会等から要望された品目に対し、医療上の必要性を評価するとともに、承認申請のために実施が必要な試験の妥当性や公知申請への該当性を確認すること等により、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発を促しています。

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