MY PAGEENTRY2025卒

CROSS TALK 対 談 研究職

  • 上 司
  • 若手社員

サイエンスの世界で戦い、
その成果を世界へ

  • 上司 入社20年目

    リサーチディビジョン
    薬効薬理研究
    (精神神経(CNS)・免疫領域)グループ

    グループマネージャー Y

    工学研究科 修了
    1999年入社

  • 若手社員 入社8年目

    リサーチディビジョン
    薬効薬理研究
    (精神神経(CNS)・免疫領域)グループ

    N

    薬学研究科 修了
    2011年入社

二人が所属する薬効薬理研究(精神神経(CNS)・免疫領域)グループでは、神経変性疾患に対する創薬研究を行っている。
グループのミッションは、“治療薬のない神経変性疾患の新薬候補化合物を創出”すること。
グループ運営やプロジェクト推進を担う二人に、仕事の魅力や海外派遣、研究者としての働き方について語ってもらった。

※記載内容は取材当時

グループのミッションについて

今、私たちのグループが取り組んでいるのは、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経変性疾患をターゲットとしたこれまでにない画期的な新薬の研究です。加えて、難病であり神経変性に基づく希少疾患にも注力しています。
いずれも有効な治療薬がない疾患であり、世界中で新薬が待ち望まれています。全く新しい切り口からのテーマにチャレンジすることから、グループには、様々なバックグラウンドを持ったメンバーが集まっています。
N君のように精神神経領域の知識を持つ人もいれば、免疫、糖尿病、循環器の研究者もいます。異なる知識を有した集団の方が、グループとして強いと思っているので。

Y

確かに、イノベーションを起こすための新たな発想は、その分野を知らない人の突拍子もない意見がきっかけになることもありますね。そんな多様なバックグラウンド、多彩な考え方をする人たちが集まったグループをまとめてくれているのがYさんですよね。

N

当該領域の戦略を練り、他部門と密に連携しながら、各テーマリーダーとともに創薬研究に邁進しています。
30代が中心のチームで、子育て中の研究員、女性研究員も多くいます。みんなのやる気を上げて、120%の結果を出していけるようなグループづくりを心がけています。

Y

私も30代ですが、年齢の近い研究員も多く、活気あふれるメンバーが集まっていますね。

N

テーマのステージが上がると、部門横断的に関連メンバーを牽引し、臨床開発までを担うプロジェクトリーダーになります。リーダー自らが多くの権限を有し、主体的に行動しやすい組織になっています。まさに、N君があるプロジェクトのリーダーになったよね。

Y

そうですね。少しプレッシャーはあるものの、非常にやりがいを感じています。

N

プロジェクトを進める上で大切なのは、プロジェクトの全体像をメンバー間で正しく共有し、個人の役割・重要性を十分認識してもらってから仕事を任せることなんだ。適材適所を意識しながら担当パートを割り振るけど、分担することによって個々の業務が何につながっているのかが不明瞭になってくる時もある。だからメンバー間で常に意思疎通を図りながら研究に取り組めるような環境づくりを意識してくれたらよいと思うよ。

Y

これまでの経験を活かして、メンバーとの対話を通して、目指すべきものの方向性、何に期待しているのかをしっかり理解してもらいながら、プロジェクトを推進していきたいと思います。

N

私もみんなの力を使った方が、相乗効果が高まると思っているし、グループ運営においても私が提案したものよりいい方法があるかもしれないので、どんどん意見してほしい。疑問、質問、つぶやき、大歓迎!コミュニケーションが伝播して、あちこちで相談やディスカッションができるような環境が一番いいよね。

Y

海外派遣について

入社3年目の2014年1月から約1年半、米国の共同研究先にて、研究プロジェクトに参画する機会を得ました。いつか海外に行って見識を高める機会があったらいいと思っていましたが、こんなに早く実現するとは驚きでした。

N

そう、かなり早かったよね。

Y

若手でもこういった機会を与えてもらえ、「武者修行してこい!」と送り出してくれることがうれしかったですね。でも、語学力に関してはまだまだ勉強しないといけないと思っていたので、まだ準備ができていない! という戸惑いはありました。でも、チャンスをいただけたので頑張ろうと思いましたね。

N

日常会話の英語より、科学分野の英語の方がなんとかなるもの。
私は、入社10年目に海外派遣を経験したけど、行き先はドイツ。しかもそれまでは糖尿病の研究に従事していたのにドイツでの研究テーマはアルツハイマー病だったんだ。アルツハイマー病もドイツ語もわからない中、現地でビザ申請を自力で行うなど、最初は苦労したよ…。

Y

チャンスをもらえるのはありがたいことです。私の派遣先も多国籍の研究員が集まっており、一人一人が高い専門性と強い責任感を持って研究に従事しておられました。海外では結果をシビアに評価されるという事もあり、一人ひとりの働き方に衝撃を受けました。

N

いい経験ができたね。海外に行って、サバイバル能力が鍛えられたんじゃない?

Y

確かに、海外派遣を経験したことで、待っていても誰も何も与えてくれないことを知りました。自分から積極的に発言、行動しなければ物事が解決しないので、たくましくなったと思います。

N

住友ファーマの社員はグローバルで戦っていける人材が多いと思うよ。そしてN君のように、やる気があって自分で考えて行動できる人には、チャレンジする機会が与えられる会社だよね。

Y

仕事の魅力、やりがいについて

やりがいを感じることはいくつもあるけど、今のグループで言えば、新しい切り口を起点とした研究の戦略立案やチーム構築からはじまり、研究が進み、興味深い発見があるという現在進行形の今の状況だろうね。
薬として形になるまでには、まだまだ時間がかかるけど、ポイントごとに成果が出て、達成感がある。それはやっぱりうれしいね。加えて、N君のようなプロジェクトリーダーを数多く輩出することも需要な仕事だと考えているよ。

Y

私はやはり、“サイエンスを武器に世界で戦う”チャンスがあるというところでしょうか。
自分の考えた科学的な検証方法が認められた瞬間が心に残っています。
米国派遣中の出来事ですが、トップから、複数の研究員に対し「ある仮説を証明できないか検討してほしい」と指示がありました。私がこれまでの知識と経験を活かした実験方法を提案したところ、その実験が一番上手くいき、有用なデータを出すことができました。派遣先のリーダーからも「今回の結果について、解釈を詳しく聞かせてほしい」と言ってもらえて・・・。
Yさんの言うとおり、“サイエンスの内容が共通の言語になった”と感じました。研究という仕事の面白さを実感しましたね。

N

それが研究者の醍醐味だからね。

Y

実をいうと、その領域は、たまたま興味をもって独自に勉強していた分野でした。直接の仕事とは関係ないなと思ったポイントでも、興味をもって知識を得ておくと役に立つということを知りました。

N

それはすごく重要。すぐに役立つことだけでなく、何事にも興味をもって掘り下げることが、自分の力になる。1つのデータを深く解釈するためには多様な知識が必要だからね。そういう点からも、実験で失敗することは大切なことだと思うよ。回避するよりやって失敗した方が、いろんな可能性を深く考えるし、研究者としての成長に繋がる。成功は幾多の失敗の上にしか成り立たないからね。

Y

Yさんは、これまでも、たくさん成果を上げていますよね。

N

入社2年目に国内大学との共同研究で糖尿病の実験室を立ち上げたり、糖尿病領域で今では世界のゴールドスタンダード(最も理想的で信頼度の高い基準)になっているモデル動物をつくったりしてきたね。モデルの確立までに時間はかかったけど、上司も根気強く待ってくれ、成果を上げることができたんだ。現在では、非臨床レベルで糖尿病の薬理評価をするなら、まずこのモデルでテストするというくらい一般的になった。これはやはりうれしいよね。
また海外派遣中の成果を論文発表した際は、アルツハイマー分野のホットトピックスとしてForum siteに取り上げられ、世界の様々な研究者から問い合わせが来たことも自信につながった出来事だね。

薬の開発は、確かに長い時間が必要となる。学生さんに会ったときに、よく「モチベーションはどうやって維持するのですか?」と聞かれるんだけど、自分はモチベーションが下がる、上がるということを感じた経験がないんだ。
失敗も成功も、一生懸命取り組んだ結果だからそういった感覚にはならない。そういう心構えで研究に向かい合うことがいいのではないかな。

Y

研究者の休日・オフについて

オンオフの切り替えはしているつもりですが、オフでリラックスしているときに、良いアイデアが浮かぶこともありますね。

N

N君のように頭に浮かぶことがあっても、家に帰るとてんやわんやで…。現在、我が家は、息子4人、娘1人の7人家族なので、家に帰るとプチ幼稚園状態です(笑)

Y

家庭でも大人数をまとめているわけですね!

N

住友ファーマには、ワークライフバランスをサポートする様々な制度があって、仕事と家庭をきちんと両立させることができる環境だと思うよ。
家では家事もちゃんとやっていて、担当は洗濯物。ポリシーは、宴会でどれだけ飲んで帰っても洗濯物は自分が干す(笑)。
N君の家族は?

Y

研究者の妻と息子、娘の四人暮らしです。私も実は同じく洗濯係を担当しています。子供の病院への通院なども、役割分担しながら、積極的に子育てに参加しているつもりです。

N

休日は、どんな風に過ごしてる?

Y

最近は、家族で六甲山や実家のある長野の山を登っています。
米国に行っているときに自然の魅力に目覚め、トレッキングに行くようになりました。自然の風景写真を撮って楽しんでいます。Yさんはどう過ごされていますか?

N

今は、「趣味、子育て」。 休日は、もっぱら子どもの戦いごっこの相手かな(笑)。 そのほか、最近はあまり参加できていないけど、友人と集まって年に何回かイベントをやって楽しんでいるよ。バスをチャーターしてラフティングや観光に行ったりね。その集まりは、銀行員や警察官、弁護士など、さながら異業種交流会。普段と違う話も聞けて面白いんだ。

Y

オフもアクティブに過ごしているんですね!
また、イベントは社内で開かれるものもいろいろありますよね。大阪研究所では夏にビアパーティーが開催されますし、グループ会社の住友化学と一緒に運動会もしていますね。

N

ビアパーティーでは、普段の仕事ではあまり関われない人とも交流できるのがいいよね。バイキング形式で大いに食べて飲んで交流して、楽しいイベントだよね。

Y

これからについて

現在取り組んでいる疾患領域は治療満足度が低く、解決すべき課題が多々あります。 製薬会社として取り組み、開発する使命があると思っています。研究プロジェクトとしても非常に興味深いので、専門性を高めながら、ライフワークとして取り組んでいきたいと思っています。

N

アンメットメディカルニーズ(未だ満たされていない治療ニーズ)が高く、治療薬がない領域こそ、当社が注力している領域だからね。

Y

そうですね、そして自分のプロジェクトの成果として薬を上市させたいですね。患者さんの元に届く薬として形にならなければ、研究して面白い結果が出たね、で終わってしまいます。成果を上げ続けるためにはどうすればいいか、常に意識して研究に向き合っていきたいと思います。

N

私もいつか「住友ファーマだからこそできたんだ」といわれるような、世界にパラダイムシフト(社会全体の価値観などが劇的に変化すること)を起こすような製品を送り出していきたい。
独自の切り口で創薬展開を行い、「当社はこの疾患領域に関する創薬では世界有数レベルであり、様々なプロジェクトを走らせている」と自信を持って言えるような体制を整えたいと思っているよ。そしてその頃には、N君に続く若手メンバーがリーダーとなって、新規プロジェクトを次々に牽引していく・・・それが理想だね。

2013年4月に私が神経変性疾患創薬に取り組む際、提唱した治療の概念や創薬の方向性から複数のテーマが生まれたんだ。
現在、その研究は当時の私のアイデアからは飛躍的に進展しているけど、自分の中ではあのアイデアが膨らみ、多彩な研究者の手によって世界のトレンドになりつつあることを密かに喜んでいるよ。また新たな概念やトレンドの先を読み、それをみんなと具現化して世界をリードできたらいいなと思っているんだ。

Y

住友ファーマには長い歴史に基づく高い技術力がありますしね。得意領域である精神神経領域でいえば、治療薬の実績も多く、経験豊富な社員が多数います。こうした風土から新たなものを生み出していきたいですね。

N

MESSAGE 学生のみなさんへのメッセージ

  • “サイエンス”に年齢は関係ありません。やる気とチャレンジ精神のある人に当社は最大限の協力と機会を与えてくれる会社だと思います。そういう気概のある人と共に、世界にパラダイムシフトを起こすような新しい薬を創っていきたいと思っています。
    工学部出身の私自身がそうであるように、様々なバックグラウンドをもつ人を活かす環境がありますので、専攻にはこだわらず「薬をつくりたい、患者さんを治したい」と思う方はぜひ来てほしい。充実した研究者生活と、その先の患者さんの笑顔が待っていると思います!

  • 住友ファーマは、今まさにイノベーションに挑戦している会社。
    イノベーションにはチームワークで研究を進めながらも、一人ひとりの発想や研究者としての個性が重要になってきます。当社には、研究者それぞれの個性・アイデアを重視する風土があります。こういうことをしてみたい、自分のアイデアで世界に挑戦したいと思っている人にぴったりだと思います。ぜひ一緒に研究しましょう!

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