MY PAGEENTRY2025卒

CROSS TALK 座談会 研究職:製品開発研究

候補化合物にカタチを与え、
安全で使いやすい医薬品として市場へ

  • 分析研究所
  • プロセス研究所
  • 製剤研究所
  • 入社14年目

    技術研究本部
    分析研究所

    A.K

    農学研究科 修了
    2006年入社

  • 入社6年目

    技術研究本部 プロセス研究所
    プロセス研究第1グループ

    O.H

    薬学研究科 修了
    2014年入社

  • 入社9年目

    技術研究本部 製剤研究所
    製剤研究第1グループ

    N.Y

    医歯薬学総合研究科(薬学系) 修了
    2011年入社

創薬研究で見いだされた化合物の有効性、安全性、品質を確保し、
カタチを与えて医薬品として市場に供給するための「製品開発」の役割を担うのが技術研究本部のミッション。
「プロセス研究所」「製剤研究所」「分析研究所」の3つの研究所が連携し、製品開発を推進しています。
どんな仕事なのか? それぞれの研究所に所属する3名に、仕事の魅力ややりがいについて語ってもらった。

※記載内容は取材当時

住友ファーマの「製品開発職」を選んだ理由

薬剤師として働くより、自分がつくったものを世の中に出ていくことに魅力を感じ、製薬メーカーの研究職を志望しました。当時、住友ファーマは、アメリカで大型の統合失調症治療剤の販売許可を取得し、グローバル展開を推進しているところ。とても魅力を感じました。自分もグローバルな仕事がしてみたいと。
選考段階で、薬物動態研究か製剤研究か選択できたのですが、カタチのあるものづくりの方が面白そうだと思い、この道へ。

N.Y

私も製薬会社に興味があり、基礎研究も面白そうだけど、もう少し実用的な部分で世の中の役に立つような仕事をしてみたいと思い、製品開発職を選びました。複数受けた中で、住友ファーマは会社説明会や面接で対応してくれた先輩方の雰囲気がよく「ここで働いてみたい」と思いました。

O.H

私は、誰かの生活をより良くできる製品の開発に携わりたいと考えていました。
基礎研究か商品開発かは、迷いました。面接のときに、「専門性にこだわりがありますか?」と聞かれ「ありません」と回答。大学での専門は数年ですが、企業に入ると何十年も研究を積み重ねるので、こだわる必要はないと思ったのです。すると分析研究に配属になりました。

A.K

住友ファーマは、チャレンジの機会を与えてくれる会社ですから、その流れに身を任せて。

O.H

そうそう。入社して、配属された場所で、専門性を高めていけばいいと思いました。

A.K

研究所の仕事について

私の所属する「プロセス研究所(プロセス研)」の主な業務は、医薬品の主成分である原薬の製法開発と、治験に使用する原薬の供給がミッション。今は、低分子だけでなく、バイオプロセスのチームもあります。
低分子については最適な合成ルートを見いだし(ルートスカウティング)、反応条件や後処理条件、精製条件等を確立して工場に移管します。バイオの場合は、細胞株の構築や培養精製などを行い、低分子と同じようにスケールアップしていきます。最先端のプロセス技術とモノづくり力を活かし、様々な分野の医薬品開発に取り組んでいます。

O.H

スケールアップ、大変そうですよね・・・

N.Y

本当に大変! 私はずっと有機合成をやってきたけれど、実験室レベルとはわけが違う。スケールが大きくなるにつれ、実験ではつかみきれなかった課題が見えてきて、スマートにいかない。スマートにできたと思っても、工場レベルだと・・・。
なかなか一筋縄ではいかないので、日夜コツコツとデータをとり続けることが大切かな、と。

O.H

それは「製剤研究所(製剤研)」でも同じ。試行錯誤の連続です。
「製剤研」は、「プロセス研」で合成してもらった原薬を使って、患者さんに服用または投与できる剤型にする仕事。とても苦い薬や主成分が少量の場合、どうすれば服用しやすくなるか、どんな添加剤を加えて安定させるかなどを検討し、カプセル剤やOD錠など、さまざまな製剤設計を行います。面白いですが難しく、一人前になるには10年以上かかると言われました。

N.Y

今やっているのも、すごいよね?

O.H

申請予定の開発品を担当していますが、何が大変かというと、服用量が多く、そのためトン単位で作る必要がある。

N.Y

これまでにないくらいのボリューム!

O.H

原薬も製剤も、複数の工場を立ち上げて生産予定です。一番今、泥臭いところをやっています。その研究過程で「分析研究所(分析研)」にはとてもお世話になっています。

N.Y

「分析研」は、「プロセス研」と「製剤研」が日々、つくっているものの評価をしたり、評価するのに使う試験方法をつくったり。製品開発において医薬品として最適な品質を作り上げる役割を担っています。
それから、治験薬は、すべて「プロセス研」と「製剤研」で製造しているのですが、その原薬と製剤の品質評価もやっています。

A.K

日々、お世話になっています!

O.H & N.Y

研究所の連携について

「分析研」は、住友ファーマの中で唯一の分析のエキスパート集団。業務も多岐にわたります。
前臨床段階、開発段階、生産段階すべての段階で何かトラブルがあった時に様々な部署から相談が寄せられます。

A.K

「プロセス研」では開発初期から「分析研」とは綿密に連携をとり、原薬の品質管理について戦略を立ててやっています。
研究する中で、原因がよくわからない事象が起こったときは、自分たちでも原因解明にトライしますが、簡単にできるものではないので・・・。「分析研」はとにかく、技術が全然違います。専門の方にお願いして特殊なとり方で解析してもらっています。

O.H

「製剤研」も同じで、処方を変更すると反応過程で不純物ができることがあります。その際には「分析研」に調べてもらっています。

N.Y

不純物ができていいものなのかなど、最終的に決めるのは構造なので、そこは「分析研」としては力を入れてやっています。

A.K

全然違いますが、「分析研」は「科捜研」みたいですよね。事件じゃなくて、薬の問題を解決するという(笑)。

O.H

科捜研のドラマ、よく見ますよ(笑)。
さっき、O.Hさんが言っていたように、最近は低分子だけでなく、再生・細胞医薬品やバイオテクノロジー応用医薬品などの新規モダリティも開発パイプラインに入っているので、それもきちんと分析しないといけません。
レギュレーションや当局のガイドライン、規制も年々厳しくなっているので、キャッチアップしていけるよう、知識を日々深めています。

A.K

確かに、製品開発の業務は、範囲が広がっていると思います。
最近は、開発化合物が絞られる前から「プロセス研」が入り、中間体や原薬合成に関与することも多くなっていますし、海外子会社のプロジェクトサポートも当たり前になってきました。
大変ですが、いろいろチャレンジできる面白さも。アグレッシブに取り組んでいます。

O.H

仕事の魅力、やりがいについて

「製剤研」では自分の担当テーマが上市したときは喜びを感じます。これまで幸運にも2剤上市品を担当しました。MRさんから「患者さんの服用の手助けになった」いうのを聞いたときは本当にうれしかったです。

N.Y

「製剤研」ではそういう患者さんの声のフィードバックがあるんですね。

O.H

うれしい報告もありますが、逆もあります。剤形をもう少し小さくしてほしかったとか。でも、そのときの自分のベストを尽くしてつくったので、そうした声は、次回の糧にしてがんばりたいと思います。

N.Y

「プロセス研」にいて私が一番うれしかったことは、プロセスケミストになって、申請前の一番大事な製造であるPV(プロセスバリデーション)を経験できたこと。そのときは達成感がありました。
入社前は、それを目標にしていたのですが、3~4年目に担当することができました。
住友ファーマの研究は、「挙手制」が多いので、「やりたい!」とマネージャーに意志を伝えていれば、チャンスを得られることが多いです。次は、申請関連の業務を経験したい。

O.H

「分析研」にいて嬉しかったことは、やっぱり上市品目に携わったことですね。2019年 9月に上市した、世界で初めて統合失調症を適応症として承認されたテープ製剤『ロナセンテープ』の開発後期を担当しました。分析は自分たちでものづくりをすることはないのですが、製品の品質は私たちが決めます。「この品質でいきます」と当局に申請し、承認を得たときの達成感は非常に大きいです。この品質で患者さんに届くのだと思うと、喜びはひとしおです。

A.K

これからについて

初期の合成ルート設定から工業化まで、必要な検討はある程度わかってきたと思います。ただ、さまざまな構造の化合物があるので、もっといろんな経験を積んでいきたいと思います。

O.H

プロセスも製剤も、経験値がものをいうところがありますよね。

N.Y

確かに。数をこなしたり、大きな規模でやってみたりしないとわからないことも多いですが、最近のトレンドとしては、シミュレーションやロボット、創薬のハイスループットのようなものを活用して検討する時代になっています。化学工学やエンジニアリングの知識があることも重要だと思います。
そうした効率的な研究の進め方も含め、プロセス研究を極めていきたいと思っています。

O.H

これまで携わってきたテーマは、国内の開発品が多かったので、グローバルな開発品もやってみたいです。
例えば、海外子会社のサノビオンのテーマなどは、どういうやり方で進めているのかなど、そういう部分も学び、グローバル開発とのギャップも埋めていきたい。そして、日本国内だけでなく、海外工場での新製品の立ち上げなどに携われたらと考えています。

N.Y

今回『ロナセンテープ』を上市するにあたって、研究開発段階以上の部署の方と関わる機会があり、ひとつの製品を上市する際のさまざまな視点、戦略があることを知りました。例えば、患者さん視点のものづくり。作り手側としては、効率的に安定してつくらなければなりませんが、患者さんのためにはどうか、など、バランスをみなければなりません。そういう意味で、もっと多様な角度から品質、そしてものづくりを見ていきたいと思っています。

A.K

MESSAGE 学生のみなさんへのメッセージ

  • 就職活動をしていた当時のことですが、ある食品メーカーの面接で、「あなたを採用することでわれわれにどんなメリットがありますか?」と問われたことを今でも覚えています。
    自分のやりたい分野や仕事、専門性については突き詰めて考えますが、逆の視点は考えたこともなく、答えに窮してしまいました。
    改めて、自分の魅力が何か、どう働くのかを意識し、自分を見つめ直すといいと思います。

  • 私が就職活動で大切にしていたことは「うそをつかず、正直であること」そして、「自分が納得すること」でした。
    自分が納得できれば、後悔することはありません。悩んだら、企業の方を含めさまざまな人と対話しながら何をしていきたいのかクリアにしていけばいいと思います。
    熱意を持ったみなさんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

  • 製剤研究って何をするんだろうと思う人も多いかもしれませんが、薬のカタチをつくる仕事です。低分子だけでなく、再生・細胞医薬やデジタル医療機器まで、本当にさまざまなことをやります。
    どの業務も共通しているのは、「ものをつくる」ということ。そこに面白さがあり、なおかつ患者さんに届けるという喜びもあります。
    新しい「ものづくり」に挑戦したいという方は積極的にご応募いただけたらと思います。

CROSS TALK クロストーク

  • 探索合成研究 座談会

    低分子+新規モダリティで、アンメットメディカルニーズに応える創薬を。

  • 生産技術 座談会

    「ものづくり」にこだわり、高品質な医薬品を技術力で世に送り出す。

関連タグ RELATED TAGS

  • #グローバル
  • #生産技術
  • #精神神経
  • #製品開発