CROSS TALK 対 談 開発職
- 臨床推進
- 臨床企画
“薬の力で命と健康を守りたい”
同じ情熱を胸に
チームで新薬上市を目指す
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臨床推進 クリニカルリード 入社11年目

臨床推進部
M
医学系研究科 修了
2015年入社 -
臨床企画 入社6年目

臨床企画部
K
薬学部薬科学科 卒
2020年入社
開発部門は、薬の候補品の臨床試験を行い、
ヒトでの安全性や有効性を検証しながら国の承認を得て世の中に送り出す役割を担う部署。
臨床企画や臨床推進、データサイエンス、開発薬事などさまざまな部署が連携し、
新薬開発というプロジェクトを推進していく。
臨床試験デザインやプロトコルの立案、承認申請資料作成などを担う「臨床企画」、
臨床試験を計画通りに安全かつ正確に実施・管理する「臨床推進」、
異なる職務を担っている二人に、それぞれどんな仕事に携わっているのか、何に挑戦しているのか、
それぞれの働き方やこれからについて語ってもらった。
※記載内容は取材当時
私は現在、CNS領域と再生・細胞医薬品について、主に患者さんを対象とした安全性・有効性を評価するための臨床試験の企画立案を担当しています。
試験デザインの考案やプロトコルの作成、当局からの紹介事項の対応、試験の状況に応じて必要が生じた際には、プロトコルの改訂等にも参画しています。
K
今はどんなテーマを担当しているの?
M
「CT1-DAP001」や「DSP-0378」をはじめとした、CNS領域の低分子品目、及び再生細胞医薬品目を複数担当しています。
K
「CT1-DAP001」の方は、2025年8月に承認申請したところ。注目の品目を担当している!
M
そうなんです。「CT1-DAP001」は、国の「先駆け審査制度」の指定を受けており、優先審査の対象となっています。
今回のCT1-DAP001の承認の枠組みは、条件及び期限付き承認になる見込みで、製造販売後臨床試験(P4試験)で本製品の有効性を示すことができて、漸く本承認という形になります。
現在はP4試験のプロトコル作成や当局からの紹介事項回答等に参画しています。
K
プレッシャーもあると思うけど、新しいことにチャレンジするやりがいも大きい?
M
本当にそうです。世界初のiPS細胞由来製品の臨床試験のプロトコル作成に携われるというのは、非常にありがたいですし、やりがいを感じます。
私の話ばかりしてしまいましたが、Mさんは今、どんな業務を?
K
私が所属する臨床推進は、Kさんたち臨床企画の方々が立案した臨床計画を遂行する部門。
治験推進のエンジンとなって、試験のスピードと質を両立させることで1日も早く新薬を世に送り出し、患者さんや社会に貢献したいと試験に取り組んでいて。
その中で私は、グローバル試験の日本のクリニカルリードとして、社内外の関係者、たとえば、医療機関やSMPA(米国子会社)の開発チーム、海外のCRO(開発業務受託機関)、社内の各部門などとやりとりしながら、臨床試験全体のミッションを推進する役割を担っています。
現在担当しているのは、急性白血病の患者さんを対象にしたフェーズ1/2試験です。
M
そうなんですね。実は、私は研究職から開発職に異動してまだ1年ということもあり、クリニカルリードの業務についてあまりよく知らず・・・
K
クリニカルリードは、試験実施の責任者として、試験の進捗や症例データの品質、リソース管理を担っています。
開発戦略や候補品のポテンシャルを踏まえた上で、安全性・有効性を正しく評価できる試験を着実かつ迅速に実施できるようチャレンジしてます。
M
臨床試験の現場は大変なことも多いと思いますが、どんなことを心がけていますか?
K
なにごともタイムリーに対応することでしょうか?
たとえば試験を担当してくださる医師は、患者さんの状態を診ながら治験薬の量を調整したり、処置したりします。もし、何か変化があったとき、すぐに患者さんに対応できるよう、迅速な情報提供が求められます。
症状やほかの疾患との関係性など、質問は多岐にわたります。臨床企画にもサポートしてもらいながら、できる限り速やかにかつ正確に情報提供できるよう心掛けています。
M
研究職のときは、研究の対象は主に細胞や動物で、全てコントロールされた条件下での試験であったため、そういった事態は基本的には起こりませんでした。タイムリーな対応というのは、臨床ならではの大変さですよね。
今担当しているiPS細胞由来の品目は、前例が無いということもあり、患者さんの安全性に最大限配慮するという観点から、何かアクシデントが患者さんに発生した際のタイムリーなやりとりの重要性を実感しています。
研究職と開発職の時間軸の感覚の違いを感じました。
K
大学で生物系の研究室に所属し、ライフサイエンスに強い関心をもっていたことから、就職活動当初は製薬メーカーや食品メーカーなどの研究職を考えていました。
就職活動を進める中で、病気の治療を通じて人々の命やQOLに最も貢献できる仕事に携わりたいという思いが強まり、製薬メーカーを志望するようになりました。
K
当社のどんなところに興味をもったの?
M
創薬の研究コンセプトがユニークで、独自性の高い化合物や再生医療、新たなモダリティにも挑戦していたところにひかれました。
この会社であれば自分のやりたいことができるのではないかな・・・と。
そして、研究職として入社しました。
K
私も、そう! 独自性の高いプロダクトにひかれた。大学の研究室で、膵がんの幹細胞に関与する糖鎖マーカーの探索を行っていたときにそのプロダクトを知って。
「がんの早期発見や新しい治療法をもっと知りたい、関わりたい、この薬剤を開発したい」と思って志望して。
M
開発職で応募されたんですか?
K
そう、研究室の先輩で開発職の方がいらっしゃったこともあり、臨床開発の仕事を詳しく知っていて。新薬の開発は、とても困難で成功確度が低い。
研究の方々が大事に臨床に上げてくれた薬剤を患者さんの治療に役立つ医薬品にできるかどうかは、開発職にかかっている・・・。
新薬の未来を左右する場面に立ち会い、上市できたらとてもやりがいを感じられるだろうなと思って、オンコロジー領域の新薬創出に力を入れている当社の開発職を志望。
M
上市できる剤にかかわるのは、大きな目標。
人生で何回経験できるか・・・というくらいの確率ですよね?
K
実は私、入社4年目に初めて承認申請対応を行い、薬を世に届ける喜びを味わっていて。
それは、「リサイオ」という、悪性リンパ腫、小児悪性固形腫瘍における自家造血幹細胞移植の前治療薬。
自分が関わってそのまま上市できる喜び!あの経験は一生忘れられないだろうな・・・
M
それはすごいですね!
K
周りの方に恵まれていて、「やりたい!」と手を上げると、入社数年目にもかかわらず、その試験のクリニカルリードと企画を任せてもらえた。
もちろんわからないことだらけだったけど、周りの方々がサポートしてくれたので、安心して業務に当たれてたかな、と感謝しています。
M
確かに、当社は若手に責任ある仕事をまかせてくれますよね。そしてフォローもしてくれる。
K
本当にそう。無事上市できた時に、開発の醍醐味を別の面からも感じて。
それは、一緒に開発してきた先生方の反応。お会いしてご報告させていただいたとき、先生方も医療関係のスタッフの方もすごく喜んでくれて。お世話になった医療の現場にお返しすることができて、感無量というか、頑張ってよかったな・・・と。
M
私もいつか、自ら企画した臨床試験を成功させ、承認取得まで導いてみたい。
そのときはMさんはじめ、臨床推進のみなさま、よろしくお願いします!
K
もちろん!開発はひとつのチーム。一緒にやっていく仲間ですから。
M
グローバルの開発の魅力は、日本だけでなく、承認された国にも薬剤が広がり、患者さんの治療がグローバルに広がっていくこと。それはとても素敵だと思います。
SMPA(米国子会社)の同僚と一緒に仕事をするのも楽しいですしね。
M
英語でのコミュニケーションに苦労することもありますが・・・(笑)
K
それは私も(笑)。専門的なことやニュアンスの問題とか、難しいなって思うところも。
でも、以前、アメリカの同僚とペアで試験を走らせてたとき、日本時間で私が働き、私が寝ている間、海の向こうの同僚が米国時間で働いてくれる。
時差によって上手く試験が回るタイミングがあって、遠くにいる同僚と一体感をもって仕事ができる楽しさを感じた。
M
私自身は日米で国際共同治験を実施しているプロジェクトにまだ参加したことはないのですが、日本で試験が進んでいる剤について、米国試験のプロトコルの改訂の際に情報を共有しながらディスカッションすることはありました。
K
一緒に開発に取り組む際、考え方についてはカルチャーショックがあったかな。
日本は、事前準備をしっかりして、万全の体制でいこうっていう感じだけど、アメリカは、try & error でいいものをつくっていこうという感じで。
プロトコル改訂のときに、ものすごくそれを感じた。
M
本当に違いますよね。私が担当する品目でも、アメリカの方は「これができたら一番良いよね、というベストケースのプロトコルで試験を走らせてみて、うまくいかなそうだったらその時また考えるよ」というスタンスで仕事をされていました。
日本国内の試験だと、例えばこの選択基準を厳しくしてしまうと患者さんが見つからないだろう、と、ある程度事前にわかっているのであれば、最初からその基準は緩めるなどした上で試験を開始する印象を持っていますので、考え方のギャップに驚きました。
K
アメリカは根拠があって「変えるべき」となれば、そこからのスピードはすごく速い!
このスピード感は見習うべきところでもあります。
一方、日本では、プロジェクトの Lesson & Learn(プロジェクトや経験から得られた教訓を将来に活かす)が進んでいて、課題を解決できたらそれを他のチームに共有し、会社全体のナレッジを深めているかな?それがいろいろな面で上手くいっているように感じています。
M
研究から現在の部署に異動してきて、「開発企画の仕事は・・・」のときから、手取り足取り教えてくれて。
私の部署は、CRAのメンバーも多いからというのもありますが、若い人が多くて毎日活気に満ちています。Kさんのように研究から異動した方もいて、バックグラウンドはばらばら。
Mさんはリーダーとしてメンバーをまとめたり、指導したりする立場ですよね?
そうですね。みんなで楽しみながら仕事ができたらなとは思っています。
情熱って、薬の開発には必要ですよね。
本当に開発の仕事って一人ではできなくて、チームでなければできない仕事。
私のグループでは、一つのプロジェクトに対して何人かで担当するかたちになっているので、自分が対応できないときでも他の人がカバーできるような体制になっている。
プライベートの話題が出てきたので、次は、休日・オフについてのテーマに入りましょうか(笑)
うちは子供が二人でまだ小さいので、休日はもっぱら子供と付き合って、公園に行ったり、プールに行ったり。
私のほうは、妻がカフェ巡りが好きなので、休日には一緒に大阪のカフェを訪れたり、連休には旅行に行ったり。有給は取りやすい会社ですし、部署としても「有給はしっかり取ってください」というスタンス。
確かに。今年は初めてのリフレッシュ休暇(勤続5年以上かつ35歳以降は5年ごと)の年。
それはいいですね!
リモートワーク、私もありがたく使わせてもらってて。
制度のおかげで働きやすさがアップしていると思います。
現在、承認申請が近いプログラムを担当してるので、日々責任感をもって取り組んでいるところです。このプログラムは、FDA(米国食品医薬品局)から「ファストトラック指定」を受け、得られる臨床試験結果によって、優先審査が受けられたり承認期間を短縮できたりする可能性もあります。
私も同じです。まずは「CT1-DAP001」のP4試験や、「DSP-0378」の次相試験に向けた準備にしっかり取り組んでいきたいです。
もっと先には、日々楽しみながら仕事をし、APACやGlobal全体のクリニカルリードとして活躍すること。
自ら企画した臨床試験を成功させ、承認取得まで導くことが一番と思っています。
そのとききっと、開発に関わるすべての人が“ひとつのチーム”だと実感すると思います。
そうですよね。臨床企画の仕事は社内外の“チームメンバー”に対して大きな責任を伴う仕事だと実感しています。
皆さんとても話しやすく、相談しやすい方ばかりで、本当に人に恵まれているなって思います。
K
それぞれ経験や知識の違いを認め合いながら、いい雰囲気で働けてるかなっていうふうに思います。
M
K
秘めた情熱を持っている人が多い印象かな?
私は、情熱を前に出すタイプなので、一見クールに見えるメンバーから、情熱があるなっていう、キラッとしたのが見えた時はとても嬉しかったりして。
M
大きな困難が生じたときに、それを乗り越える原動力は情熱だと思っています。
K
若手が多いので、凝り固まった考えというよりは、イノベーションが生まれ、自由に働ける環境をつくれたらなと思っています。
M
病院や家族の用事、有給など自分のプライベートを優先して働けるような環境が整っているのもありがたいです。
K
M
自分時間としては人気の動画配信サービスで楽しませてもらってます。
M
気兼ねなく制度を活用できるっていうのはすごくありがたい。
K
連続5日間に土日を引っ付けて1週間、お休みをいただけるんで、家族でグアムに行こうと思っています。
M
制度で言うと、裁量労働制やリモートワークOK(在宅勤務制度)もありがたいですよね。
時間を上手く使って仕事とプライベートを両立しやすいっていうのは本当に助かってます。
K
家の中での気持ちの切り替えの難しさはありますが。特にグローバル試験だと、アメリカとの時差の都合上、早朝とか夜の会議があるので、リモートは助かります。
M
K
目下の目標は、この試験をしっかり進めていくことですね。
M
K
これまで多くの仲間や上司に支えられてきたことに感謝しながら、当社の価値を世界に、そして未来の患者さんに希望を届けられる存在になりたいですね。
M
先ほどMさんから上市したときの話を伺いましたが、自分もその醍醐味を感じてみたいですね。
K
立場を超えて、みんなで喜びを分かち合える。
M
私も、研究での経験を生かしながら自ら企画した臨床試験で承認を取得して、社会に貢献したいと思います。
K
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