キャリア入社者インタビュー

目指すは、
オーダーメイド治療。
再生・細胞医薬開発の
トップランナーとして、
患者さん一人ひとりに
新たな治療法を提供したい

再生・細胞医薬神戸センター
  • 前職
    アカデミア(大学 助教)

研究リーダーとして
プロジェクトが円滑に回るようマネジメント

再生医療・細胞治療は、これまでの治療では効果が十分に得られなかった病気や、有効な治療法が存在しなかった病気に対して、効果的あるいは根本的な治療を可能にします。もう治らないと治療を諦めていた患者さんに、希望(治療できる可能性)を提供できるのです。当社は「再生・細胞医薬品で世界をリードする」ことを目標に、技術とノウハウを蓄積してきました。この知見を結集し、我々の開発品目の製品化を心待ちにされている方の期待に応えたい--その思いで研究を進めています。

今、プロジェクトの研究リーダーとして、開発に取り組んでいるのはiPS細胞を目的の細胞へと分化させる製造方法の検討です。細胞は“生き物”であるゆえに、その取扱いは非常に繊細で難しい。同じ人が同じ作業を行っても、「揺らぎ」によって、化合物の合成反応と比べて大きなバラつきが生じてしまうからです。医薬品としてのクオリティを担保しながら、効率的かつ安定的に目的細胞を製造できるよう、日々研究を重ねています。

当社は、iPS細胞を用いた再生・細胞医薬分野の研究開発において世界の先頭を走っている企業の1社です。進む先は、舗装されていないどころか、道すらないため、一歩一歩手探りで進んでいる状況です。しかし、これは、トップランナーの宿命。自ら道を切り開き、新たな治療法を確立すること、それこそが私たちのモチベーションとなっています。道なき道を進む研究者たちの成長をサポートしながら、ミッションを1日も早く達成できるよう、プロジェクトを推進しています。

再生・細胞医薬研究

再生医療・細胞治療をこの手で実現し、
患者さんを救いたいという夢に突き進む

当社に入社する前は、大学でポスドク、助教として研究を続けていました。博士課程ではES細胞の倫理面や拒絶反応の問題をクリアすべく、体細胞からES細胞様の多能性幹細胞をリプログラミングによって作製する研究を行っていました。その途中で、iPS細胞が作製され、私自身は目的を達成することはできませんでしたが、当時最もホットな研究領域で研究ができたことは非常に良い経験になりました。その後、研究対象をがん細胞に変え、研究を重ねてきました。
大学での研究は楽しく、成果もそれなりに出ていたのですが、任期付きという雇用形態に対する不安や、基礎研究よりも実際に世の中の役に立つような研究をしたいとの思いが強くなり、転職を考えるようになりました。そんな時、当社が再生・細胞医薬関係で研究職を募集していることを知りました。かつて多能性幹細胞の再生医療・細胞治療への応用を目指して夢中で研究していた自分を思い出し、再生医療・細胞治療をこの手で実現したいという熱い思いが沸き上がり、応募しました。

再生医療・細胞治療は始まったばかりで、今後ますます発展することが予想されます。例えば、ゲノム編集技術との組み合わせによって、細胞の機能を強化し、治療効果を高めるといった研究がすでに進んでいます。今よりもより良い治療を実現するために、私も最新技術を取り入れた革新的な治療法を開発したいと思っています。そのためには、まさに今が大事だと考えています。幸いにも、現在担当しているプロジェクトには、発足当初から参加させてもらっており、製品開発工程を順を追って知ることができています。この経験を活かし、構想から上市まで一貫して携われるプロジェクトリーダーになって、一歩先ではなく、二歩先、三歩先を見据えた画期的製品の創出に挑戦したいと思っています。挑戦したい候補の一つは、再生医療・細胞治療の究極の目標とも言える「個人に合わせたオーダーメイド治療」です。学生時代から見続けていた夢なので挑戦してみたいです。

再生・細胞医薬研究

メッセージ

病気で苦しんでいる患者さんを再生医療・細胞治療によって救いたいという思いをもって仕事に取り組めることが、転職して良かったと感じている点です。人々の健康のために自分が取り組んでいる研究で社会に貢献したいとの思いは、まさに当社の企業理念と同じであり、会社の根本的な考え方と自分の気持ちが一致していることに喜びを感じています。大学で研究をしていた時は、基礎研究であったこともあり、「社会への貢献」を意識することも実感することもあまりありませんでした。転職したことでその意識を初めて感じることができ、それがモチベーションの維持につながっていると思います。
視野を広げるために経済新聞に目を通すようにしていますが、いつか自分が携わった製品が紙面に出たら嬉しいですね。その日を迎えられるよう、メンバーと挑戦を続けています。