キャリア入社者インタビュー

神経生理学と国際感覚を
活かした創薬研究で
当社の掲げる「グローバル・
スペシャライズド・プレーヤー」の実現を目指す

リサーチディビジョン
薬理研究ユニット
  • 前職
    海外アカデミア(Research Fellow)

英国・米国の研究機関から日本へ
神経生理学の見地を活かした創薬研究を

日本に帰国し、当社で研究しようと思ったきっかけは、在外研究者を対象としたある企業セミナーに参加したことでした。
そこで当社の研究部門や人事部門の担当者と出会い、様々な話題をざっくばらんに交わす中で心が動いたからです。

当時は神経生理学の専門家として米国の公的研究機関に所属していました。体性感覚のなかでも、主に痛みや痒みの信号伝達にまつわる神経ネットワークの解明を目指すグループの一員として、脊髄における電気生理学的観点を軸とした研究に注力していました。そのなかで当該研究の神経生理学分野における貢献と、高い実験技術を拠りどころに成果を得る姿勢を、当社の担当者が評価してくれたことを素直に嬉しく思いました。

高校卒業直後から過ごした英国で大学院博士号を取得し、続いてResearch Associate、次いで米国でのResearch Fellowと、一貫して研究を続けてきた在外経験にも当社は理解を示してくれました。そうした国際感覚を活かせる職場づくりを推進し、多様性が高まることに価値を見いだす企業姿勢に触れたことは、入社を決断する上で大きな後押しとなりました。

入社後は、薬理研究ユニットで、精神領域、神経領域ともに多岐にわたる研究テーマと向き合っている毎日です。
ある精神症状 (うつや統合失調症など) にまつわるとされる特定の神経回路の検証を行うことや、それらに対する自社研究化合物の作用を測り、薬剤プロファイルを構築することを行っています。ただやはり自分の生来の興味を最大限に活かすことができる神経生理学的なデータの取り扱いを先導主導する場面は多く、特に初期創薬と呼ばれる領域の研究に力を注いでいます。

薬理研究(CNS)

企業の創薬研究者として
新薬を患者さんに届ける使命と責任

精神神経領域は、アンメット・メディカル・ニーズが高く革新的な治療薬の登場が期待されている分野のひとつです。
しかし、非常に複雑で難解な病態がゆえに、科学的解明も臨床的理解も不足し、新薬開発の成功率も低いのが現状です。この難題に立ち向かうために、創薬研究者として疾患や症状に対する病態仮説、薬剤作用メカニズム、既知はもとより最新の論文情報等々接すべき場面に事欠きません。本当に日々学びの連続です。

入社して嬉しかったことは、初めて参画した研究テーマで自身が揃えたデータを披露したところ、加えた考察をも含めて好評を得ることができたことです。その後、そのテーマが次ステージ、臨床開発へと進むことになり、私自身、日本での就業経験ナシ、企業での就業経験ナシからスタートしたものの、それから自らの専門性を力強く発揮し、創薬という大きな事業に貢献していくことへの自信につながりました。

製薬企業の一員である以上、自然科学的真理の探究だけでは済まされず、研究初期の段階から検証対象にある化合物がもたらすべき薬剤としての効果や、将来薬剤となるべき価値をも測らなくてはならないところが、ときに難しいと感じます。
しかしながら、自分たちで練り上げていく化合物プロファイルをそのまま裏付けるような、美しいデータが揃う瞬間を目の当たりにするとき、創薬という科学の醍醐味を感じられることに間違いはありません。と同時に、その創薬の種を結実させ、将来への希望となる治療を心待ちにしている患者さんたちに新薬を届けるためにも、研究者として果たすべき責任の重さに身が引き締まります。

精神神経領域において画期的新薬を創出するためには、疾患症状そのものとその治療とを複合的に捉える必要があります。
当社の薬理研究者として経験を重ね、初期研究に始まり臨床研究の達成に至るまで、丁寧に過程を理解し考察を加えることができるよう、いわば総合的創薬専門性を高める挑戦をしていきたいと考えています。
そして、これまでの海外経験、国際感覚を生かし、当社が掲げる「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」の担い手の一員となれるよう努めたく思います。

薬理研究(CNS)

メッセージ

製薬企業の一員として、新たな治療を心待ちにしている患者さんに一日でも早く未来への希望となる製品を届けることは、この上ない命題だと思っています。それを成し遂げるため必要なことは、研究初期から紡いでいく確かな科学的根拠の検証と、仮説を揺るぎないものにしていくため信頼あるデータの積み重ねに拠ってこそ。
いち科学者として、社会に向く責任を果たすこと、人々のこころとからだの健康のため努力することができる場として、創薬研究は魅力に溢れています。