経皮剤の処方・製法設計の経験を活かしながら
高い視座からプロジェクトをみる
前職の経皮剤メーカーでは、8年ほど経皮剤の処方・製法設計を担当していました。やりがいはありましたが、人生の可能性をもっと広げたいと思い、転職を希望。当社の再生細胞医療やDXへの取り組みなど、革新的なイノベーションに挑戦する企業文化に惹かれ、過去の業務経験にとらわれすぎることなく新たな気持ちで仕事に取り組めるような気がして入社を希望。
当時、抗精神病薬では世界で初となるテープ製剤を上市しており、患者さんに新たな治療の選択肢を提供していたことも後押しとなりました。
経皮剤は当社では、比較的新しい剤形であることもあり、外部の経皮剤メーカーと協働でプロジェクトを進めています。
前職では自ら手を動かして処方・製法設計を行っていたので、立ち位置が180度変わりました。まずは契約交渉から行い、契約が成立した後は、検討方針や具体的な内容について協議しながら互いに案を出し合い進めていきます。基本的に実験は経皮剤メーカーで行っていただくことがメインですが、できた製剤の評価や課題に対する解決策の立案の際には自ら手を動かして実験することもあります。
業務内容が大きく広がったことに、入社したばかりのころは苦労しました。例えば、経皮剤メーカーとの契約交渉は初めて経験する業務。何を成果として求めるのか、その成果をどういう形で今後使っていきたいのかを上司とも相談しながら考えることは前職では求められなかったことでした。高い視座からプロジェクトを見て考えるとても良い経験となりました。

プロジェクトの進行とともに、
広がる職務とやりがい
経皮剤の製剤化検討においては、肝となる製剤化技術を外部の経皮剤メーカーと協働していることもあり、私は、経皮剤のプロフェッショナルとして、社内から様々な意見を求められます。経皮剤メーカーを選定する際には各社の技術的な強みを良く理解し、この剤にはどの技術が必要かを論理的に考えなければなりません。
経皮剤メーカーは各社ユニークな技術をもっていますので、プロジェクトの成否を左右する重要な選定になります。そんな中で考え抜いて選んだ技術がプロジェクトにうまくはまった時には製剤研究者としてプロジェクトに大きく貢献できたと実感することができます。もっと幅広い視点から物事を考えられるよう、生物薬剤学等も勉強しているところです。製剤研究者として考えるべきことが増え、できることも着々と増えています。
経皮剤はCNS領域と相性がよいため、新たな開発候補薬物が出てきた際に経皮剤化の可能性をより早い段階で正確に見積もるための基礎研究に挑戦しています。
例えば精度の高い経皮吸収速度の予測式について検討し、少量の薬物で実験的に経皮剤化の可能性を見積もる、フィージビリティ評価システムを構築することは私にとって大きな目標です。研究の合間を縫ってそういった活動にも精力的に取り組んでいます。
上司や同僚もこの挑戦にとても前向きで、協力してくれることもあり、モチベーションを高く保つことができます。
やりたいこと・やるべきことを自ら考え行動できる人にとっては、それを後押しする企業風土とその実現に協力してくれる専門性の高い優秀な人材が揃っている理想的な職場だと思います。世界中の新薬を待ち望んでいる方々のために、メンバーで協力しあい、日々、挑戦を続けています。
