IT技術を活かし、
ライフサイエンスいう新しい業界に挑戦
「ICT分野をコアキャリアに据え、もっと専門性を高めていきたい」そう思ったのが転職を決意した理由でした。
前職は海運業界で、業界内で共同利用するシステムや自社業務システムの企画・導入・運用を一手に担う、社内エンジニアでした。IT分野は様々な業界の基盤となって事業の発展を手助けできるコア技術。この経験を活かし、新しい分野で人と社会に貢献したいと思い、キャリアアップを模索していた中で出会ったのが当社でした。
再生・細胞医療に取り組んでいる企業でもあり、製薬業界は全くの門外漢でしたが、人に向き合い、一人ひとりの健康やQOL向上を目指す企業姿勢に惹かれ入社を決めました。
現在、IT&デジタル革新推進部 DX推進グループで、全社共通のネットワーク・インフラの導入や整備を担当しています。
製薬業界には、GMPやGLPといった医薬品の研究、開発、試験、製造、流通のさまざまな領域を対象とするガイドライン、GxP(Good x Practice)があります。このGxPに関わるシステムを安定稼働させることは、安心、安全な製品を安定的に患者さんに届けるという医薬品メーカーの使命に直結します。そのため、安定稼働の土台となるインフラ領域での気配りを欠くことはできません。責任とやりがいをもって業務に取り組んでいます。
また、新たな取り組みとして、ローコード・ツールによるアプリケーション開発の市民化モデルを推進しています。
これは、各部門が現場目線でアプリケーション開発ができるようにすることです。現場の課題をITでスピーディーに解決することで、トップダウンだけでなくボトムアップでもDXを加速させる狙いです。そのためのセキュリティ・ガバナンスや企画、運用について検討を重ねています。こうした新しいプロジェクトを推進できることに魅力を感じています。
コロナ禍にあって、迅速かつ最善の
リモートワーク環境を整備
システムの安定稼働は最優先事項ですが、不測の事態が発生することもあります。そんな時こそ、担当者としての力が試されます。ちょうど入社1年目が終わろうとした頃、新型コロナウィルスによって日本中が未曾有の状況に陥りました。初の緊急事態宣言が出され、当社も製造部門を除き、原則在宅勤務となりました。ネットワークが、会社と社員、業務をつなぐ命綱になったのです。
一斉在宅勤務、それは限られたネットワークリソースをOA事務から研究分野の高度計算処理に至るまで多種多様な職種に携わる大勢の社員でシェアする状況でした。その結果、システムは使用できるも、快適性は日に日に損なわれる事態になってしまいました。在宅勤務制度は以前からあり、安全に企業ネットワークに接続できる設計ではありましたが、それは一定数を対象としたもの。全社員が常時在宅勤務をしつつリアルタイムにコミュニケーションを行う、という想定のものではありませんでした。
恐らく、このとき、世界中の多くの企業が同じ課題に直面したと思います。
「この状況をなんとかしなければ・・・」
そこで、前職の経験を活かし、「ネットワークのためにできること全てを」の考えのもと、最善を尽くしました。
まず、細かなモニタリングに基づくチューニングを実施。根本対策については、数ある選択肢があるなか、様々な領域のステークホルダーと連日のディスカッションを行い、AWSを活用し、クラウドと物理環境、それぞれの特性を組み合わせたリモートワーク環境を整備しました。通常のリモートネットワーク構築であれば半年程度かかる対応を、10営業日という短期間で実現することができました。
実は当初、社内では、この方法ではなく別の案が検討されていました。しかし、その案はいくつかのデメリットもあったため、いつまで続くとも分からないコロナ禍にあって、ベストではないと私は考えました。
プロフェッショナルとして最適解を出すこと、それが使命だと感じ、別案を提案。当社においては前例がない構成でしたが、討議を重ね、実装の承認を得ました。対策は意図したとおり有効に機能し、コロナ禍の新しいワークスタイルの実現に寄与できました。
後日、この貢献が認められ、「社長特別賞」をいただいたときは、本当に嬉しかったです。
当社のビジネスに携われる機会が多くなったことにやりがいを感じるとともに、その期待に応えられるよう、変化をチャンスととらえ、日々チャレンジを続け自分自身を成長させていきたいと思っています。